ボクは、限られた時間の中で、何を食べようか迷っていた。
麺・・・パン・・・ご飯・・・。
それすらも決まらず、早歩きでいろんなところを見て回っていた。
すると、突然のにょ・・・いや、猛威っ!!!
どうにも我慢出来ず、トイレを借りようと、近くにあったパチンコ・パチスロ店へ・・・。
用を足し、店を出ようとしたのだが、普段入らない店内が気になり、
何気なく流れていた、スロット台のプロモーション映像を眺めていた。
すると・・・
「すみません。」
と、店員さんから突然声をかけられ、彼は続けて、
「あちらのお客さまが、もう時間がないということなので、
代わりにやっていいよと言われているんですが・・・」
と、言った。
「えっ!?」
と、驚くボクの声も聞かず、店員はボクを誘導し、おじさんの前へ連れていった。
おじさんは、かなり急いでいたのか、訳も何も言わず、開口一番、
「これ、まだ出ると思うよ!やりな!」
と、ボクを席へと促す。
その勢いなどに圧され、座るボク。
それを確認したのかしてないのか、大量のドル箱を持ち、
その場から去っていくおじさんと男性店員。
一人、立ち尽くす・・・いや、座りつくす、ボク。
と、中にも外にも、メダルの残されたスロット台。
辺りには・・・誰もいない。
・・・未だ状況を把握してないボクの脳裏に、ある言葉が浮かんでいた。
「やらなきゃ、勿体ないっ!!」
ボクはスロット台に食らいつき、まずはその台の中のメダルを消耗すべく、
回転させては、ボタン連打を繰り返していく!!
しかし、おじさんの言った通り、無作為に押しているにも関わらず、
メダルはガンガン貯まっていく・・・
「このままではいかん!!」
そう思ったボクは、早々と台を変え、
別の台にメダルをガンガン入れいく!
しかしメダルは増えもせず、減りもせず、
気がつけば、その台でもボーナス発生!!
なんだ、ココはサービス店かっ!?
なおも、ボクと台の戦いは続いていく・・・そしてっ!!
・・・現実は、小説よりも奇なり。
結局かかった時間は、ボクがトイレを借りてから35分!
最後に残った一枚をその台にそっと置き、
ボクは店をあとにした・・・。